2025.11.27
Business
外部トリガー入力に対応した高精度ヘッドホン型脳波計「VIE EEG Headphone」の予約販売を開始
事象関連電位(ERP)や聴性定常反応(ASSR)など、研究使用に十分な高精度な計測をワイヤレス・ドライ電極で実現
次世代型ウェアラブル脳波計の開発とニューロテクノロジーの社会実装を行うVIE株式会社(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役:今村 泰彦、以下VIE)は、頭皮上での高精度な脳波計測をワイヤレスで実現する新製品「VIE EEG Headphone」の予約販売を2025年11月27日より開始いたします。
製品ページ:https://vie.style/pages/vie-eeg-headphone
■ 開発の背景
従来、ERP(事象関連電位)やASSR(聴性定常反応)といった時間分解能の高い脳波計測を行うには、導電性ペーストを使用するウェット式の電極を備えた研究用機材が必要であり、被験者への負担や準備の手間が課題となっていました。一方で、簡易的なウェアラブルデバイスでは正確な同期信号(トリガー)の取得が難しく、本格的な研究用途での利用にはハードルがありました。
VIEはこれまで、イヤホン型脳波計を通じて日常生活での脳波計測を実現してきました。この度、その技術を応用・発展させ、「外部トリガー入力機能」と「頭皮上(中心線上)での計測」を備え、ウェット式の研究用脳波計と同等の信号精度をワイヤレスかつドライ電極で実現する「VIE EEG Headphone」を開発いたしました。
既に複数の研究機関・企業への提供を開始しており、以下のような研究・事業開発で使用いただく予定です。
・複数人の同時計測・同期性の評価
・病院の検査室外の病棟等での計測
・既存の研究プロトコルへの10-15分程度の脳機能評価の追加
・オフィス等のリアルワールドでのデータ計測・脳波利活用
■ VIE EEG Headphoneの3つの特徴
1. 外部トリガー入力による高精度な同期計測
本製品は外部トリガー入力機能を搭載しており、視覚・聴覚刺激の提示タイミングとマイクロ秒単位で同期した脳波データの記録が可能です。検証実験において、P300やMMN(ミスマッチ陰性電位)などのERP計測、およびASSR計測で、従来の研究用脳波計と極めて高い相関(相関係数 r>0.9)を確認しています。

2. ドライ電極採用で、装着から計測までをスムーズに
準備・後片付けに手間の掛かるペーストが不要な「ドライ電極」を採用しています。ヘッドホンを装着する感覚で、頭皮上(中心線上)の1チャンネル計測が即座に開始でき、被験者の負担を大幅に軽減しながら高精度なデータ取得を可能にします。

3. 計測から解析までをシームレスにする「VIE Streamer」
専用の脳波取得・解析ソフトウェア「VIE Streamer」を使用することで、リアルタイムの波形確認、インピーダンス計測、ノイズチェックを一元管理できます。また、CSV形式での生データ出力や、外部アプリケーションへのOSC転送にも対応しており、取得したデータを即座に解析・活用できる環境を提供します。

■ 研究者による推薦
「Brain Techの産業化」を目指し、約4年前にVIE社にジョインしました。産業化には、神経科学的なエビデンスに基づくアプリケーション開発が重要であり、その基盤として、既存の医療・研究用デバイスと同程度の計測精度を持つ簡易脳波デバイスが必要だと考え、その開発に協力しました。完成したデバイスは、髪の毛がある頭皮上でも既存の研究用脳波デバイスとほぼ同等の精度で脳波を計測できる点が最大の特徴です。さらに、外部トリガーに対応し、事象関連電位の計測も可能です。これにより、実環境での脳波計測を想定した応用研究に最適であり、Brain Techの新たな時代を作ってくれるデバイスであると確信しています。

成瀬 康 氏:VIE株式会社 社外取締役(国立研究開発法人情報通信研究機構未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室 室長、大阪大学 招へい准教授)
■ 製品仕様
・製品名:VIE EEG Headphone
・計測位置:頭皮上1ch(中心線上)
・電極タイプ:ドライ電極
・サンプリングレート:500Hz
・その他機能:インピーダンス計測、外部トリガー入力、IEC80601-2-26 試験項目クリア
※研究用途で利用する場合、別途ソフトウェアのライセンス購入が必要となります。
※本製品は研究用機器であり医療用途で用いることはできません。
【本件に関するお問い合わせ先】
VIE株式会社 広報担当
E-mail:info@vie.style